逆オファーで実現した楽曲制作プロジェクト
──曲の制作に関して、今回の楽曲は堀田さんご自身が曲を作りたいとオファーを出されたと伺いました。改めて経緯を教えてください。
堀田:当時24歳くらいだった僕が芸能生活を始めるきっかけになった空というキャラクター。それから巡り合いで、いろんなキャストの方やスタッフさん、何よりもお客様という本当にたくさんの方との出会いを作ってくれました。
あれから6年経って、年齢も30という節目になって、改めて自分の中でもリスタートしていきたいし、活動を始めた頃の気持ちや感謝といった想いを、この30歳っていう節目で形に残したいなって思ったんですよね。
そこで一番に浮かんできたのがやっぱり空くんというキャラクターだったので、自分が生きてきたこの人生の中で、挫けそうだったときや勇気をもらったこと。そういった気持ちを、歌詞に乗せて歌に乗せて空に向けて歌いたい。でも、ただ空に感謝の気持ちを伝えるだけではなく、空を応援してくれるお客様だったり、『ツキプロ』っていうコンテンツを応援してくれるお客様に向けて、何かメッセージ性の強い曲を作りたいなって思ったんです。
だから、今までこの30歳になるまでの積み重ねを形にした曲をムービックさんと一緒に作りたいと思い、わざわざ時間を作っていただいて、僕の考えを説明させていただきました。
そうしたら、一緒にやろうか、作曲どうするみたいな話になったんです。作詞は自分でやるんですけれど、「作曲はじょん(滝沢 章)さんにやってほしいです」と言って。ジャケットイラストも、「ALIVE(アライブ)」の絵を描かれている志島とひろ先生に描いてほしいと伝えました。
僕をイラスト化してとひろ先生に描いていただいて、作曲はじょんさんにしていただいて、作詞は僕がしたい。空というものを作っている人たちと、ムービックさん、皆さんと一緒に僕が積み上げてきたものを形にしたいなっていうことで逆オファーさせていただいて。そしたら、ちょうど原作も10周年の節目を迎えるタイミングだったり、空の声優を担当されている豊永利行さんも過去に空へのアンサーソングを歌っていた(「Charactanswer」に収録の「エンジョイ!!!」)から僕から空への歌を作ることをエモい(あるいは「面白い」?)と思ってもらえたみたいで、結構前のめりに話を聞いてくださって、どうしていこうかと今回のこのプロジェクトがいろいろ進み始めるという経緯です。
──プレゼンはどのようにされたんですか?
堀田:ストレートに、いま言ったような思いをまっすぐ伝えました。やっぱり一番伝えたかったのは、このプロジェクトは空や『ツキプロ』っていう作品を愛している人たちと一緒にやりたいなと。
その思いを一番に伝えることが僕にとって大切だったので、それをムービックさんや、じょんさんに伝えたところ納得していただき、今回のプロジェクトが始まったんです。
他の誰かじゃなくて、やっぱりこのメンバーでやりたいのが、僕の中で一番大切なことだった。その思いを伝えさせていただきました。
──先ほどのお話にあった、見返りを求めないというお話が実を結んでいるのかもしれませんね。
堀田:僕にとって、これだけたくさんの経験ってお金で買えないと思うんですよね。積み重ねていく経験ってお金には変えられないものだから、僕にとっての一生の中で、この6年ってめちゃくちゃ大きくて。
この経験をくださったムービックさんとか、関係者の方たちとか、そういった人たちにありがとうっていう感謝の気持ちもお返ししたかったんです。
きっとムービックさんや関係者の方が一番喜ぶ瞬間って、この曲が完成して、お客さんが聞いて、感動してくれた瞬間だと思うんですよね。だからそういった形で自分なりの感謝の気持ちをお返しできたらな、とすごく思っています。
──デビューしてからの集大成ですね。
堀田:まさにそうだと思います。今でこそ自分でライブを作る機会もありますが、何も分からなかった自分が空という役をきっかけにいろんな方と関わって、いろんな経験させていただいて。
音の作り方や照明の作り方とか、制作周りの動き方とか、そういったものも目の前で勉強させていただいたので。そういったものが堀田竜成を新しく作り直してくれたというか。(今回のプロジェクトは)僕から皆さんへの感謝の気持ちが本当に大きいなって思います。
──じょんさんが作曲を務められるということですが、楽曲制作にあたってどういったお話をされましたか?
堀田:僕、 SOARAの「未来への贈り物」という曲がすごく好きで。というのも、Episode6の「Gift」という作品で初めて歌わせてもらったんですけど、初代守人役の石渡真修くんが卒業する回だったので、この歌はなんか特別な思い入れがあります。
「未来への贈り物」は本当にメッセージ性がとても素敵で、曲調もめちゃめちゃ良い曲なんです。
毎回歌いながら感動していたし、それと、曲って思い出になるものだと思うんですよね。
メロディを聞いたときに、あのときああだったな、何歳だったな、あの人といたなとか、あの人と聞いた曲だな、雪降ってたなとか、多分景色が浮かぶんですよね。僕にとっての一番景色が浮かぶ曲っていうのが「未来への贈り物」で。
ただ、じょんさんとどんな曲にしようかって話したときに、SOARAっぽくない曲の方がいいよねって、僕自身そこはこだわっていたんです。これで空くんやSOARAっぽい曲を作ってしまうと、「やっぱりそうだよね」「元気な青春っぽい感じね」って思われるかもしれなくて。でも(今回は)そういう思いで作ってる曲じゃないから。
なので、僕が得意なジャンル、僕らしさが生まれるジャンルの曲調で行きたいと「未来への贈り物」と、全然違うアーティストさんの曲を参考に送らせていただきました。曲調は「未来への贈り物」ですけれど、歌い方とかはこっちのアーティストさんの曲調でいきたいとリクエストさせていただき、こだわって作りました。
やっぱり思いが強い曲なので、じょんさんに全部お任せではなく、お互いにメロディや歌詞をディスカッションしながらハイスピードで制作しているので、完成が楽しみですね。
──デモも聞かせていただきましたが、ほぼ完成形かと思うくらい形になっている印象を受けました。
堀田:でも、完成までにもっともっとブラッシュアップして良い曲ができるように、もっともっと話し合いをしたいなと思っています。ただ、こうして形になってきて、自分の中で曲を愛でたいくらい、形があったら抱きつきたいくらい愛おしい、大切にしたい曲です(笑)。
──(笑)。そんな実際に形になったものを聞いてみて印象はいかがでしたか?
堀田:じょんさん特有の曲の作り方が本当に素敵で、お願いして良かったってすごく思いました。サビを聞いたときに、包み込むような曲調から、お客様の前で歌ったときの景色が浮かんできて。とにかく早く曲を作って、みんなの前で歌って思いを届けたいなって改めて思いました。
──作詞は絶賛作業中かと思いますが、手応えはありますか?
堀田:最初に書いたときには手応えがあって。でもメロディを初めて聞いたときに、もっと良い言葉とか、もっとできるんじゃないかなって。やっぱり聞けば聞くほど思うので。皆さんに届けられるように、今はブラッシュアップしているところですかね。
CDに詰め込まれた堀田さんのこだわり
──ほかの演者の方や周りの方から、今回のプロジェクトに関して何か反響はありましたか?
堀田:実は周りの共演者にも言わず、完全シークレットでこのプロジェクトは進んでいたので、解禁タイミングではみんな驚いていました(笑)。それに、9月?10月あたりにプレゼンして、短期間でここまで形になりましたから、言ってみるものですね!(笑)
──周りのスタッフ陣もそうですが、堀田さんとじょんさんのスピード進行の賜物でもありますね(笑)。また、2曲目はカバー曲が収録されると伺っています。
堀田:楽曲はこれから決めていきますが、僕が今まで歌ってきている曲だと思います。あと、SOARAのレコーディングするときって、いかに空に合わせるかというか。声優を務めている豊永利行さんの息遣いやブレスのタイミング、癖をパーフェクトコピーする勢いでレコーディングするんですよね。だから同じところを10回、20回、「今の息の吸い方違う、もう一回」みたいな感じで。
本当にそれくらい詰めてレコーディングするのですが、今回に関しては堀田竜成として、SOARAの曲を歌うので、より僕らしさを出しつつ、SOARAとは違う形でレコーディングできたらなって思います。どんな曲をレコーディングするとしても、そこは大切にしていきたいですね。
──本当に完成が楽しみですね。ジャケットも既に撮影されているんですよね。
堀田:撮影に関しては僕からもちょっとしたイメージを伝えさせてもらいました。空へ向けた曲ということで、空を背景にしてシャボン玉が飛んでいる感じのジャケット写真になっています。
ほかにもブックレットなどで使う予定の写真を、カメラマンさんと2人だけで外を歩きながらスナップ写真のように撮らせてもらいました。舞台などのビジュアル撮影とはまた違った、オフショットみたいな内容になっているので、そこも楽しみにしています。
──デジタルのみのリリースが多い昨今、ちゃんと実物のあるCDになるのがまた素敵ですよね。手元に残って写真もたくさん詰め込んで、となるとより一層楽しみです。
堀田:プロジェクトで一番に動いてくれているスタッフの方がいらっしゃるんですけれど、表記の文字とかどうしたらいいか、みたいな細部も丁寧に確認してくださるので、このCDはこういう表記で、フォントもポップ体じゃなくてこういう形にしてほしいとか、そういうのも全部組み込んでくださっています。
僕はただやりたいことを言葉にしているだけなので、それを具現化してくださる皆さんが周りにいてくれること自体、本当にありがたいですね。
「僕にとっては、始まりですかね」
──今回の曲を機に、見え方なども色々と違ってくると思うのですが、今後の空と向き合う上での意気込みなどございますか?
堀田:やっぱり空という存在を通して、見てくださっているお客様に僕たちが届けられるものの一番は感動といった、その瞬間だと思うんですよね。空を演じていく中で、次の日、頑張れる活力や何か一歩踏み出す勇気だったりとか。そういったものをお客様に届けられるようにメッセージを込めて、自分の中でこだわってお芝居も歌もやっていきたいなと思います。
──改めて、いまの堀田さんにとって、役者人生における空はどんな存在ですか?
堀田:僕にとっては、始まりですかね。空は僕の芸能活動を始めるきっかけをくれた、かけがえのないパートナー的な存在です。
これから先も、僕が空にできることを精一杯、お芝居や歌、パフォーマンスで表現させていただいて。それを見たお客様に、より感動してもらったり、やっぱりお芝居とか歌っていいんだなと、活力のきっかけとなれるよう、空を通して自分も頑張っていきたいなって思います!