2025-05-27
映画『NOT BEER』主演 玉城裕規さん・相馬理さんインタビュー|詐欺師役を演じる二人が語る「騙せないことを本気で演じる」矛盾
5月30日〜6月12日にシネマート新宿にて2週間限定上映が決定した映画『NOT BEER』。
本作は2013年に劇団オレガユナイテッドによって上演された「Not beer but low-molt beer」の映画化。
二人の詐欺師・鮫島(玉城裕規)と押切(相馬理)がハルエ(金子早苗)が大切にしていた夫の金の入れ歯を手に入れるべく通い詰めている様子から始まります。
2週間お別れの時間がほしいと条件付きでようやくハルエが入れ歯を売る決意をするも、2週間後に二人がハルエのもとを訪れると、そこではハルエの通夜が行われていた。
孫と名乗る早妃(永瀬未留)、弁護士を名乗る辻(伊藤慶徳)も現れ「通夜の日に最後まで残った方に相続いたします」というハルエの遺言をきっかけに全員に相続権の権利があることがわかり、必死の騙し合いが始まります。
今回は主演・人のいい詐欺師 鮫島優役の玉城裕規さん、鮫島をアニキとして慕う弟分・押切淳平役の相馬理さんへのインタビューをさせていただきました。

今作では「騙す/騙される」がテーマですが、演じる上で心理戦の面白さや難しさはありましたか?
相馬さん「僕が演じた押切はあんまりそういったところは考えずに、やっていたところがありますね。ちょっと抜けているところもたくさんありますし、アニキに付いていきながら周りが騙しあっている、荒波に揉まれているだけです(笑)。」
玉城さん「確実に騙せないんですよ(笑)。役的にも二人の詐欺師と、孫、弁護士。台本を読んだ時点で騙せないだろうなと。目の前でこんな会話をしたら絶対無理というものを、本気でやるからこそ面白みが出てくると思ったので、騙そうとする時は本気で演じていました。でもカットがかかったら『いや、騙されないでしょう』と話していました。
特に自分の場合は騙すっていうのもフェイクなぐらいの、他の人たちの方が騙すことにおいてリアルで上手なので。鮫島はピエロのような存在で、振り切って演じることで話が進んで行く中で作品の良い部分だったり、コミカルなところで際立つのかなと思います。」

ユーモアとシリアスの振り幅が大きい作品だと思いますが、特に感情の切り替えが難しかったシーンがあれば教えてください。
相馬さん「僕は押切役で一番大事なシーンが、初日のクランクインでの撮影で、一番の山場が初日でしたね。そこをどう越えようかというのは、撮影に入る前からすごく考えていました。入口を間違えると、その後も繋がってこないので。その繋がりの部分は大切になりましたね。」
玉城さん「そこまで意識してなかったんですけど、切り替えっていう部分でも自然に二人で騙そうとする瞬間だったり、気持ちだったり行動を監督からは、『吹っ切って欲しい』とおっしゃっていて。だからこそ普通のシーンで落ち着いた時に、自然と落差がより生まれました。今回撮影も順撮り(シナリオの始まりから順番に撮影していく方法)をしていただいたからなのか、舞台からだんだん映像寄りになっていく感じがあるんですよ。」

「最後まで通夜に残った人に相続」という状況、ご自身が登場人物だったら、どう立ち回ると思いますか?
相馬さん「僕は静かにし過ぎていると潰されると思うので。」
玉城さん「人狼ゲームみたいに?」
相馬さん「そう!なので自分がその場を回すぐらいの勢いで、自分がトップに立つ!」
ーー意外なお答えでした!
相馬さん「潰されないために。そうじゃないと人狼で1日目でやられるタイプです。でも、それでも場を回せなくていなくなるタイプです(笑)」
玉城さん「僕は、それこそ人狼ゲーム自体がめちゃめちゃ苦手なんですよ。説明も全然頭に入ってこないので。その場で嘘もつけないし、行動できないからあたふたして潰されます。挙動不審になって結果終わるみたいな。何もできずにいると思うので向いてないですね。」
玉城さん「やっちゃダメなんですね(笑)」
相馬さん「やっちゃダメ(笑)なので役ではなく、玉城さんと相馬が入っても同じようにそのままポンコツぶりを発揮して、1日目でバレてしまうパターンですね。」
ーーなるほど!ちなみに今回『お通夜』というワンシチュエーションで進む会話劇ですが、お通夜は自分に関わってくれた人が集まって、自分について話す場だと思います。お二人は集まってくれた人に「こんな人だった」と言われたいことはありますか?
相馬さん「ただいい人だったなとかでは終わりたくはないですかね。例えば僕が亡くなって、他の人たちが僕の話をした時に、笑いもそうだし、色々話が尽きないような人間ではありたいなとは思います。いろんな意味で面白い人間だったなって終わりたいですね。」
玉城さん「同じような感じです。変だったね、わかりやすく変な人だったねぐらいの方がいいのか。辛いことはなるべく経験したくないですけど、みんなが酒を飲んで、語り尽くせないぐらいの人間でありたいですね。」
ーー実はこういった質問はテーマがないと意外と聞けない内容なのでお伺いしました。
相馬さん「確かに。変って言われるの逆に嬉しいですよね(笑)」
玉城さん「同じようなベクトルになりますね。『悪名は無名に勝る』じゃないですけど、普通じゃない方が記憶に残るから。記憶には残っていたいですね。」








