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言葉を整えすぎると、その人らしさが消えてしまう

2.5DGEEK COLUMN #2 言葉を整えすぎると、その人らしさが消えてしまう

複数の俳優へのインタビューでは、掛け合いの中で話題から少し離れた会話が生まれることがあります。その場で感じた空気や俳優同士の親しさ。それを文章にしたとき読者にも伝わるでしょうか。

読みやすく整理することと、取材で感じた雰囲気を残すこと。その間で、何を手がかりに言葉を選んでいるのか。第2回は、2.5DGEEKで記事を執筆する鵜飼の記事づくりをたどります。

自分がファンだったら、読みたいか

インタビューの本題から離れたやり取りを記事に残すかどうか。

鵜飼

二人以上の俳優さんをインタビューしていると、掛け合いの中で話題とは少しズレるけれど空気感や雰囲気がよかったなと思うことがあります。それが文面で伝わるのか悩むことはありますね。 ですが、まずは自分が思ったように書いてみます。最終的には自分がファンだったらこの内容を読みたいか、知りたいか。それを考えて判断しています

記事の中心を決めて、伝わる順序を考える

一つひとつのやり取りを選ぶことに加えて、記事全体をどう組み立てるかも考えます。

鵜飼

インタビューや取材の後に構成を一度整理して、どの部分がこの記事のメインになるかを考えます。 そのメインが一番伝わる順序にしてできるだけ読みやすく、でもその人や空気感が伝わるニュアンスを意識して書いています

一人称やあだ名にも、関係性が表れる

文章を整えるとき表記を揃えることで読みやすくなる場合があります。一方で、あえて揃えずに残す言葉もあります。

鵜飼

『整えすぎると、その人らしさが消える』という感覚は強くあります。 例えば、自分のことを『私』『自分』『俺』と場面によって言い換える人がいます。また、近い人同士だと呼びかけるときにあだ名を使ったりもします。これは関係性によって出てくる言葉だと思うんです。 文章としては統一したほうが整うのですが、空気感が伝わるのであえてそのまま残していることが多いです

誰に向かってどんな距離感で話しているのか。言葉を揃える前に、その表現が伝えているものを考える。取材で感じた空気を残すための判断は、こうした細部にも表れています。

その人を好きになる理由が、一つ増えるように

そうして書いた記事を通して読者に何を届けたいのか。

鵜飼

読んだときに何か新たな一面が見えたり、作品にかける思いが見えたり。表面的なことだけではなく、役者さんが思っていることが一つでも伝わるとうれしいです。 また、記事を読んでその人の好きなところがさらに見つかるとうれしいなと思います

読みやすくするために整える部分と、その場の空気を伝えるために残す言葉。その両方を考えるとき、出発点になるのは「自分がファンだったら、読みたいか」という問いです。